雄大な富山湾に面し、海の先には立山連峰を眺めることができる能登町。2011年には「能登の里山里海」として日本で最初に“世界農業遺産”に選ばれています。日本の原風景というべき景色と暮らしが今も残る能登町には、地域の森と祭りに密接にかかわる、ある木こり集団がいます。縁あって彼らと出会うこととなった響hibi-ki編集部。交流を深める中で、心を揺さぶられる瞬間が何度もありました。そんな旅の記憶を綴っています。
写真:田ノ岡 宏明/文:田中 菜月
偶然だけでは
たどり着けない旅へ
予備知識なしで地域に飛び込むのは旅の醍醐味の一つかもしれません。何と出会い、何が起きるかわからない不確定要素がある旅は面白いものです。
一方で、その地域のことを事前に調べてから現地を訪れることで、偶然だけではたどり着けない、その土地の深みへと分け入っていくことができます。その先には、人生を変える出会いがあるかもしれません。
今回取り上げる能登町も、地域に根づいた文化や、その文化を支える人たちのことを知ってから訪れてみることを提案します。以下の記事を順番に読み進めてみてください。
1つ目の記事では、町全体の特徴や能登半島地震から1年後の現地の様子、役場の方の声などを載せています。2つ目と3つ目の記事は、能登町で活躍する木こりと、地域のアイデンティティとなっている祭りの関係に迫りました。4つ目は、そんな木こりたちと現地で交流体験ができる木こりワーケーションについて紹介しています。
記事を読み進めていくと、能登町の木こりや祭りのことをもっと知りたくなるでしょう。実際に現地を訪れたときに映る景色も、より鮮やかになるはずです。
●Information
合同会社NOTONO
https://www.instagram.com/noto_notono

田中 菜月 (たなか・なつき)
1990年生まれ岐阜市出身。アイドルオタク時代に推しメンが出ていたテレビ番組を視聴中に林業と出会う。仕事を辞めて岐阜県立森林文化アカデミーへ入学し、卒業後は飛騨五木株式会社に入社。現在は主に響hibi-ki編集部として活動中。