森や自然にまつわる本や映画のラビリンスにどっぷりとはまり込む、そんなカルチャーを紹介する「Memento Mori」。今回は元図書館司書で、ぎふ木育指導員の柴山佳江さんに、春のおすすめ絵本を選書してもらいました。親子で読んでも、大人が読んでも楽しめる3冊を紹介します。
▼柴山さんインタビュー記事
https://hibi-ki.co.jp/hibikitours042/
季節は移り変わり
いのちはめぐる

『じゅんばん じゅんばん じゅんばんですよ』
作:accototo ふくだとしお+あきこ
出版社:大日本図書
定価:1,650円(税込)
詳細:https://www.dainippon-tosho.co.jp/books/product/03510/
柴山さんコメント:
季節は順番にめぐっていくんですよっていう当たり前のことを言ってる本なんだけど、「じゅんばんじゅんばん じゅんばんですよ」って声に出しながら読み進めると、季節の移ろいが面白く見えてきます。きっとこの本を読んだあとは、日常生活でも季節の変化を感じ取りやすくなるんじゃないかな。
春風が舞う季節に
空を飛ぶものは?

伝承遊びの絵本『とーんだとんだ』
文:中川ひろたか
絵:長谷川義史
出版社:Gakken
定価:1,650円(税込)
詳細:https://hon.gakken.jp/book/1020605300
柴山さんコメント:
「とーんだとんだ、なーにがとんだ?」と一緒に声を出して、「〇〇がとんだ!」と身振り手振りを交えながら読み進めてみてください。そして、この本を読んだあとに散歩に行ってみましょう。ちょうちょや桜の花びら、ツバメなど、春の空を飛び交う生きものに自然と目が行くようになると思います。絵本の外の世界では実際に何が飛んでいるのかな?ぜひ確かめに行ってみてくださいね。
新学期・新生活の
春にこそおすすめ!

『きみなら だいじょうぶ!』
作:コリ・ドーフェルド
訳:石津ちひろ
出版社:光村教育図書
定価:1,650円(税込)
詳細:https://ehon.mitsumura-kyouiku.co.jp/book/b10105358.html
柴山さんコメント:
紙ひこうきをつくって飛ばそうとするライリーのもとに、色んな鳥たちがやってきてアドバイスをくれるんだけど、飛ばすために一番大事なことは何なのか。最後はあることに気づかされます。この本を読むと、子どもも大人も勇気をもらえるんじゃないかな。それと、絵本を読むときは最後、裏表紙までちゃんと読んでくださいね。裏表紙には、作家さんが思いを込めた締めの物語が描かれているんですよ。この本もまさにそうです。
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今回選書してくださった柴山佳江さんが講師を務める、ぎふ木遊館の絵本ひろばを先日見学させてもらいました。1冊目と2冊目の絵本は、ひろばに参加していた方々と実際に声に出して読んでいたものです。
不思議なもので、数日経っても「じゅんばんじゅんばん じゅんばんですよ」「とーんだとんだ、なーにがとんだ?」のフレーズが頭の中に浮かんできて、ふとしたときに自然や空を飛んでいるものに目がいくようになりました。春っていろいろ飛んでるんだなあと、今さら気付かされたのでした。絵本の力、恐るべし!
