ヒビキツアーズ
# 31
飛騨の”森で働く”見学会 2023
2023.2.2

日本各地の森を取材してまわる響hibi-kiが、飛騨市と連携してつくる「飛騨の”森で働く”見学会」の第2回を2023年3月4日(土)〜5日(日)に開催します。このプログラムでは、実際に飛騨の森で働く現場や、暮らす人のもとを訪れ、仕事や暮らしの様子を垣間見ることができます。「森で働く」や「森で暮らす」をちょっとだけ味わえるチャンスです!リアルな森の世界に触れてみましょう。

写真:孫 沛瑜/文:高岸 昌平

林業に片足入れてみない?

2022年11月に第1回を開催した「飛騨の“森で働く”見学会」。3月はまだ雪の残る季節ですが、飛騨の冬や暮らしのリアルを体感してほしいと、3月4日(土)〜5日(日)に第2回の開催が決定しました。

●参加ご希望の方は、下記申込フォームにご記入ください。(2月26日締切り)
https://forms.gle/p9CqD1mjYpH5rVvM9

第1回の様子。〈Rethawing〉として活動している藤田憲一郎さんら3名で切り盛りする現場を見学。

第1回は東海・関西といった地域から3名の方にご参加いただきました。参加の動機は「最近林業に興味が出てきた」「渓流釣りのメッカである飛騨で移住を検討したい」「森で働く林業の現場を見てみたい」などそれぞれの背景がありました。

それゆえ施業現場や飛騨のことについて多くの質問が飛び交い、それぞれ専門性を持つ運営メンバーが様々な角度から情報をお伝えしました。飛騨市からは地元の状況やこれまでの歩み、森林組合や個人事業主の方からは現場のリアルの話、編集部からは他の林業地などと比較した情報をお伝えし、理解を深めてもらうことができました。

●第1回の募集記事はこちら
響 hibi-ki | 飛騨の“森で働く”見学会 2022

林業の働き方と奥深さ

第2回で中心となる見学先は主に2か所。それぞれ働き方の違う事業体を見学します。

飛騨市森林組合・企画経営課課長、上崎強さん。見学会当日は、飛騨市森林組合の紹介や現場のアテンドを担当。

飛騨市唯一の森林組合である飛騨市森林組合は、林業事業体として木材の生産量を拡大している平均年齢の若い組合です(現場作業員の平均は41歳)。そして特筆すべきは、先進性とスピード感です。

OWLを活用して計測した森林内のデータ動画

データで森林を把握できるOWL(アウル)という測量機械や、効率よく山から木材を運び出すためのタワーヤーダ、スギやヒノキ(針葉樹)よりも育成や収穫が難しい広葉樹施業などに積極的に取り組んでいます。

運び出された木材を貯めておく土場から、林業機械が稼働している現場へ向かう様子。

そして、現地で感じてもらいたいのがスピード感です。木材を規定の長さにカットする機械(プロセッサ)と運び出すための機械(フォワーダー)が連携して、タイムトライアルさながらのスピード感で確実に作業をこなしていく様子は圧巻です。給与面についても月給制はもちろんのこと、評価制度も構築中ということですので、詳しくは現地で聞いてみましょう!

●過去の取材記事はこちら
響 hibi-ki | 飛騨市森林組合 Vol.1 林業はチームプレーです
響 hibi-ki | 飛騨市森林組合 Vol.2挑戦的な林業を続けたい

もう一つの事業体は伐採業を中心に活動している株式会社速工業(はやみこうぎょう)。飛騨の広大な森林に点在するインフラ維持のため、線路・電線への倒木を防ぐ伐採を行っています。

今は会社の拡大に向け、森林から木材を生産する事業を増やしていく計画の真っ只中ということで、飛騨の中で勢いのある民間事業体のひとつです。注目すべきは若い社員が多く、雰囲気がとても良いこと。立ち上げて数年という組織の若さから、新しいことを柔軟に取り入れられる環境があります!当日はそんな速工業が景観を整えるために伐採をしている現場を見学します。

飛騨の街並みを巡り、山と暮らしの関わりや文化の関わりを知る。

林業と一口にいっても、色んな働き方や手法があるのがこの世界の面白いところではないかと思います。先進的であっても、必ず泥臭い仕事もありますし、傾斜のきつい山に入ることもあります。この見学会では、そんな林業のリアルをできるだけ包み隠さず見ていただくことを大事にしています。

そして、飛騨の移住者で興味深いのは、仕事以外でも山と関わったりアウトドアや趣味を楽しんだりする方が多いという点です。飛騨市森林組合の森本創さん、株式会社速工業の安江悠真さんもライフワークや副業を模索する中で本業以外でも山と関わっています。見学会では、そうしたリアルな飛騨暮らしも座談会形式でお伝えします。

夜には各林業事業体の方を交えて懇親会。

私は移住も就業もお見合いのようなものなのでは?と思っています。まずは飛騨にいってみようという気持ちで訪問してくれたら嬉しいです。飛騨市で皆さんをお待ちしています!

●スケジュール
・1日目 3月4日(土)
10:15 飛騨市役所集合/オリエンテーション
11:00 街並み散策(飛騨古川まつり会館・飛騨の匠文化館など見学)
12:30 昼食(蕪水亭OHAKOで飛騨の薬草ランチ)
14:00 飛騨市森林組合本所(森林組合の仕事内容について説明)
15:00 針葉樹現場見学
18:00 宿泊施設チェックイン
19:30 林業関係者などと懇親・交流会
21:00 終了

・2日目 3月5日(日)
10:00 民間事業体として伐採を行う㈱速工業の現場視察
12:30 昼食
14:00 飛騨で森と関わり暮らす森本さんと安江さんの移住体験談
15:00 「飛騨市住むとこネット」( http://city-hida.jp/sumutoko-net/ )から物件をピックアップして見学。移住者支援や住むうえで気を付けたい点をレクチャー
16:30 主催者挨拶・アンケート記入
17:00 終了

●開催日
2023年3月4日(土)〜3月5日(日)

●集合場所
(電車でお越しの方)
飛騨古川駅 10:10集合
(車でお越しの方)
飛騨市役所駐車場 10:15集合
〒509-4292 岐阜県飛騨市古川町本町2-22

※集合時間に間に合わないなどあれば調整等できるかもしれないので、一度ご相談ください!

●定員
7名(どちらか1日のみの参加も可能です)

●参加費
無料

※実費自己負担
実費例:15,000円程度(宿泊費・昼食費など)
宿泊施設は各自で手配をお願いいたします。
(懇親会を予定しておりますので、飛騨古川町内を推奨しております)

●交通費補助(お申し込み時の住所地に基づき、下記表の通り支給いたします)

●参加ご希望の方は、下記申込フォームにご記入ください。(2月26日締切り)
https://forms.gle/p9CqD1mjYpH5rVvM9

●主催
飛騨市林業振興課
※この事業は飛騨市からの委託により飛騨五木㈱が企画・運営を行っています。

●お問い合わせ先
飛騨五木株式会社(担当:高岸)
メール:info@goboc.jp
電話:070-1262-2100

高岸 昌平 (たかぎし・しょうへい)
さいたま生まれさいたま育ち。木材業界の現場のことが知りたくて大学を休学。一人旅が好きでロードバイクひとつでどこでも旅をする。旅をする中で自然の中を走り回り、森林の魅力と現地の方々のやさしさに触れる。現在は岐阜県の森の中を開拓中。