ヒビキツアーズ
# 29
飛騨の“森で働く”
見学会 2022
2022.9.29

日本各地の森を取材してまわる響hibi-kiが、飛騨市と連携してつくる「飛騨の“森で働く”見学会2022」を2022年11月4日(金)〜5日(土)に開催します。このプログラムでは、実際に飛騨の森で働く現場や、暮らす人のもとを訪れ、仕事や暮らしの様子を垣間見ることができます。「森で働く」や「森で暮らす」をちょっとだけ味わえるチャンスです。リアルな森の世界に触れてみましょう。

写真:西山 勲/文:高岸 昌平

観光のまちに息づく
森林の文化

人口約2万3000人のまちに年間100万人もの観光客が訪れる岐阜県飛騨市。訪れたことがなくとも一度はその名前を聞いたことのある人が多いのではないでしょうか?

瀬戸川と土蔵街並み(飛騨市提供)

飛騨市の中心的な行事といえば、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「古川祭」。裸男たちが櫓をかついでまちをまわる「起し太鼓」と、豪華に装飾された屋台を曳きまわす「屋台行列」で構成されます。そして、屋台の木彫装飾などを支える飛騨の匠の技。こうした文化の源には、森林をはじめとする飛騨ならではの風土があります。

響hibi-kiでも過去に、飛騨の風土とともに働く飛騨市森林組合を取材しました。

飛騨市森林組合の記事はこちら
響 hibi-ki | 飛騨市森林組合 Vol.1 林業はチームプレーです
響 hibi-ki | 飛騨市森林組合 Vol.2挑戦的な林業を続けたい

広葉樹の森で林業をしているイメージを持たれがちな飛騨市ですが、スギを中心とした一般的な針葉樹林業がメインだといいます。そして、その森林は飛騨市の面積の93%を占めるほどの広大さです(東京23区よりも広い)。そんな森林に囲まれた飛騨市で意外な課題を耳にしました。

伐採したくても
人がいないのです

この言葉は、飛騨市の林業振興課・竹田さんから聞いた言葉です。

森林や木材に支えられた「飛騨の匠」や「飛騨家具」などの文化を持つ飛騨市でもそんな状況なのかと驚きました。よく聞いてみると、飛騨市にも林業従事者は当然います。ただ、広大な森林に通る鉄道や鉄塔などのインフラ設備保守のための伐採作業、成長した木材を搬出する素材生産、家屋の裏山の整備など、あまりにやるべき仕事が多い現状があり、長い目で見ると人出不足で伐採する人が少ない状態になるというのです。

飛騨市広葉樹のまちづくり学校の様子(筆者撮影)

一方、私はメディア活動の中で、飛騨市で取り組まれている広葉樹を活かした活動を取材・勉強しました。使用価値がなく紙のパルプ原料となってしまう広葉樹を家具材として活用する取り組みはとても素晴らしく、それを担う飛騨市のプレイヤーは非常に熱意に溢れています。間違いなく国内トップレベルだと感じました。

●詳しくはこちら
響 hibi-ki | 飛騨市・広葉樹のまちづくりツアー2021

今回の見学会で案内するのは針葉樹林業ですが、ぜひこうした飛騨市の環境の中で林業プレイヤーを増やしていきたいと企画したのが「飛騨市の“森で働く”見学会 2022」です。皆さんがもし心のどこかで林業や森で働くこと、飛騨に関心があるのでしたら、一度訪れていただきたいなと思っています。

「働く」と「暮らす」を
両面から体感

一口に林業といっても地域や事業体ごとにその仕事内容は変化するものです。このプログラムでは、飛騨市の森で働く様々な選択肢を見ていただくために、飛騨市森林組合と個人事業主の働き方を見学します。自分なりの「森で働く」を探してみてください。

飛騨市での林業就業は、手厚い支援体制があることも魅力の一つです。新規で就業する場合には、岐阜県立森林文化アカデミー(林業系専門学校)で研修期間のサポートがあります。実際の働き方や研修についても直接聞いてみてください。

●詳しくはこちら
飛騨市連携 : 岐阜県立森林文化アカデミー (forest.ac.jp)

夕食時には、移住して林業を始めた人や森林組合のメンバーを迎えます。飛騨の食事に舌鼓をうちながら懇親する中で、飛騨で働く人たちの空気感を感じてみてください。

また飛騨市に住むとなると、不安に感じるのが住まいではないでしょうか?実際に住宅を見学して、気をつけるべき点などを確認しましょう。飛騨市の担当者から移住者支援の政策も聞くことで、より飛騨で暮らすイメージが膨らむはずです。

●スケジュール
・1日目 11月4日(金)
10:15 飛騨市役所集合/オリエンテーション
11:00 街並み散策(飛騨古川まつり会館・飛騨の匠文化館など見学)
12:30 昼食(蕪水亭OHAKOで飛騨の薬草ランチ)
14:00 飛騨市森林組合本所(森林組合の仕事内容について説明)
15:00 針葉樹現場見学・広葉樹施業についてレクチャー
18:00 宿泊施設チェックイン(やまびこ館)
19:30 林業関係者などと懇親・交流会(飛騨の森の素材を使ったドリンクご用意!)
21:00 終了

・2日目 11月5日(土)
10:00 移住して個人事業主として林業を始めた藤田さんの現場見学と移住体験談
(前後1時間は車移動)
12:30 昼食
14:00 kino workshop 見学(木工房)
15:00 「飛騨市住むとこネット」(http://city-hida.jp/sumutoko-net/)から物件をピックアップして見学。移住者支援や住むうえで気を付けたい点をレクチャー
16:30 主催者挨拶・アンケート記入
17:00 終了

●ツアー概要
・開催日
2022年11月4日(金)〜11月5日(土)

・集合場所
(電車でお越しの方)飛騨古川駅 10:10集合
(車でお越しの方)飛騨市役所駐車場 10:15集合
〒509-4292 岐阜県飛騨市古川町本町2-22

・定員
10名(どちらか1日のみの参加も可能です)

・参加費
無料 ※実費自己負担
実費例:15,000円程度(宿泊費用9,900円〈朝夕込〉、2日目昼食実費など)
現地各施設で直接お支払いをお願いいたします。
宿の手配は申込みいただいた後、運営側で手配いたします。

・交通費補助
上限1万円(必ず領収書をお持ちください。片道のみ現金精算となります。高速料金・高速バス料金・鉄道料金のみとなります。)

・参加ご希望の方は、下記申込フォームにご記入ください(10月28日締切り)

https://docs.google.com/forms/u/3/d/1SjbTl8UEIl54s8JLWmpynC-Eqa0awdjQV7doYMRTT4w/

●主催
飛騨市林業振興課
※この事業は飛騨市からの委託により飛騨五木㈱が企画・運営を行っています。

●お問い合わせ先
飛騨五木株式会社(担当:高岸)
メール:info@goboc.jp
電話:070-1262-2100

高岸 昌平 (たかぎし・しょうへい)
さいたま生まれさいたま育ち。木材業界の現場のことが知りたくて大学を休学。一人旅が好きでロードバイクひとつでどこでも旅をする。旅をする中で自然の中を走り回り、森林の魅力と現地の方々のやさしさに触れる。現在は岐阜県の森の中を開拓中。