ヒビキツアーズ
# 26
産地の見える焚火
焚火ナイト by 響 hibi-ki
2022.4.29

山・林業・アウトドアなど森にかかわるイベント情報をお届けするヒビキツアーズ。今回は、新たに響hibi-kiが主催するイベント「焚火ナイト」についてお知らせします。

写真:編集部/文:高岸 昌平

インスタントな
焚火からの卒業

コロナ禍で一層盛り上がりを見せているアウトドア。中でも空前のブームとなっているのがキャンプです。「今まであまり山へ行く機会がなかったけど、キャンプで山へ行くようになった」という人もいることでしょう。キャンプが広がり、山がより身近になることは、山や森の情報を届ける私たちにとってもうれしいことです。

焚火ナイトvol.1の様子。©こばやしりほ

そして、キャンプを楽しむ中で欠かせないのが焚火ですよね。揺らめく火を囲むだけでも、心が落ち着いて充実した時間を過ごせるものです。もしかすると、焚火を目的にキャンプに行く人もいるかもしれません。

最近では、ホームセンターでもキャンプ・焚火用品が充実していますし、着火剤や専用の道具類を使えば誰でも簡単に焚火が楽しめるようになってきました。

その一方で、インスタントな焚火にはない「森とつながる焚火」も味わってほしいと編集部は考えています。そこで今回開催するイベントは取材先から集めたさまざまな樹種の薪を使って焚火をしたり、燻製を通じて“木を食べる”体験をしてみたり、多彩な体験メニューを用意しました。

そうした体験から山や森をより身近にしてほしい!という思いで、焚火ナイトを開催します。森のメディア響hibi-kiだからこそ伝えたい、山と焚火の世界へようこそ!

©こばやしりほ

●イベント名
焚火ナイト by 響hibi-ki

●テーマ
はじめまして燻製

●概要
日 時:2022年5月14日(土)16:00~21:00
参加費:無料 ※出店している飲食ブースの利用や燻製体験は有料
会 場:KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE(岐阜県各務原市)
※雨天中止

●スケジュール/体験メニュー
16:00~
はじめての燻製教室
(2,000円/人・定員8名・事前予約制)
▼ご予約はこちら
https://coubic.com/kparkbridge/834534

18:00~
焚火スタート/焚火講座「焚火ビュッフェ」
飲食ブース開店
(燻製工房 源 gen、響 hibi-ki STAND、ドイツデリカテッセン クリンゲン、はしもとバーガー)

19:00~食材がなくなり次第終了
燻製トライアル(500円/回・当日先着)

薪から広がる
多様な森のストーリー

“響hibi-ki主催の焚火イベント”といっても通常の焚火イベントと何が違うのでしょうか?「焚火」「燻製」「森のビールと食」の3つのポイントから特徴を見ていきましょう。

① 焚火
●薪の樹種・仕入れ先と過去取材記事
・クヌギ、シラカバ、サクラ/柳沢林業(長野県松本市)
https://hibi-ki.co.jp/moridehataraku007/

・アカマツ/やまとわ(長野県伊那市)
https://hibi-ki.co.jp/nipponmingeijourney003/

・スギ/南都留森林組合(山梨県都留市)
https://hibi-ki.co.jp/ganbaranakuteiiiju003-002/

・スギ/開地保育園の園児たち(山梨県都留市)
https://hibi-ki.co.jp/ganbaranakuteiiiju003-004/

・サクラ/山口県阿武町の集落支援員・地域おこし協力隊
https://hibi-ki.co.jp/ganbaranakuteiiiju001-002/

●取材先から仕入れる薪
日本各地の森へ足を運ぶと必ずと言っていいほど、薪が販売されているのを見かけます。一見どこも変わらないように見えるのですが、取材を進めるとどこの薪も一つとして同じものがないことに気が付くのです。焚火ナイトでは、そうした各地の取材先から仕入れた多様な薪を使って焚火を楽しみます。

山口県・阿武町で薪を作る矢田英和さん。photo by Isao Nishiyama

イベントでは、焚火台ごとに薪の産地や樹種を変え、音や香り、燃焼時間の違いなどを体感します。樹種もストーリーも違う、まさに生産者が見える焚火なのです!

●焚火マスター
焚火のいいところは、火を囲んでいるとなんとなく和やかな気持ちになること。そして親密な会話が生まれてくるところではないでしょうか。

イベント会場では、ご家族はもちろん一人でも楽しめるように「焚火マスター」がサポートします。薪を燃やすだけでは見えてこない地域ごとの森林や文化のストーリーも「焚火マスター」に聞いてみてください!

●焚火ビュッフェ
“薪の樹種が違う”といっても、焚火ビギナーにとってはどれも同じに見えることでしょう。そんなビギナーさんは、まず火を知り・火と触れあってみてください。担当するのは、ソロキャンプ用の焚火台「ファイヤースタンド」を企画販売しているflamesの松永裕詳さんです。キャンパー目線で樹種による燃え方の違いや天然の着火剤活用術を教えてくれます。

各地の薪で燃え方の違いを楽しむ「焚火ビュッフェ」を担当するflamesの松永裕詳さん。https://flames-jp.com/

全国各地から取りそろえた薪で楽しむ焚火講座「焚火ビュッフェ」(18時〜/予約不要)で、自分ならではの焚火へのこだわりがだんだんと芽生えるかもしれません。

 燻製
焚火ナイトは継続開催が決定しており、毎回違う角度から山や森の素材を楽しめるテーマを設けます。今回のテーマは「はじめまして燻製」です。

「燻す」ということをよく考えてみると、木に含まれていた成分が高温で熱せられて気体(煙)となり、その成分が食材の表面にくっつくことであの燻製独特の色味や風味が生まれていることに気がつくはずです。

つまり燻製は「木を食べている」といっても過言ではないのです!そうした燻製をより身近なものにするために、本格的な燻製教室とお試し体験ができる燻製トライアルを行います。

●はじめての燻製教室
土鍋とカセットコンロを使ったカンタンな燻製方法にチャレンジします。約5種類の燻製チップと10種類ほどの食材を用意しますので、いろんな組み合わせの燻製が楽しめます。食材の持ち込みもOK!自分だけのおいしい燻製を見つけましょう。ソロ参加も大歓迎です◎

●燻製トライアル
響hibi-ki編集部と一緒に定番食材のチーズを燻製するお試し体験。そこまで本格的にやらなくていいけど、燻製は気になるという方におすすめです!出店者〈燻製工房 源 gen〉さんの個性的かつプロフェッショナルな燻製と味を比べてみるとより燻製の奥深さとおいしさに出会えるはずです!

燻製トライアルの体験イメージ

③ 森のビールと食
〈燻製工房 源 gen〉
https://www.kunsei-gen.com/
岐阜県・恵那で、山ごぼうや紀州梅、殻付きアーモンドの燻製など特徴のある燻製を製造販売している〈燻製工房 源 gen〉さん。当日は、風味や味わいにこだわって、じっくりと燻された品々が並びます。

〈響 hibi-ki STAND〉
響hibi-kiが各地から取りそろえたのは、薪だけではありません。森の素材を使ったアルコールやドリンクも取りそろえました。実は最近、森のボタニカルを使ったお酒やジュースが増えています。その中から、編集部厳選のドリンクをご賞味ください。

森の座ペールエール(アカマツ)
HINOKI ALE-YOKI-(ヒノキ)
・森のたね(クロモジ)

今回提供するビールのひとつ「森の座 ペールエール」。©In a daze brewing合同会社

〈ドイツデリカテッセン クリンゲン〉
https://www.klingen-ham.com/
岐阜県産の原料にもこだわった、マイスター直伝の手作りハム・ソーセージ専門店。持ち帰りもOK、もちろん焚火で焼いて食べてもOK!ちょっと特別なおつまみをぜひお楽しみください。

〈はしもとバーガー〉
https://www.instagram.com/hashimoto_burger/
ハンバーガーとクラフトビールの専門店。

焚火を楽しみ、燻製で木を食し、ドリンクで木を飲む。気がつけば、全部森じゃないか?という焚火ナイト。森や樹木の持つ面白さや可能性の片鱗にぜひ触れてみてください。

©こばやしりほ

●イベント詳細はこちら
https://bit.ly/3vQrvRE

高岸 昌平 (たかぎし・しょうへい)
さいたま生まれさいたま育ち。木材業界の現場のことが知りたくて大学を休学。一人旅が好きでロードバイクひとつでどこでも旅をする。旅をする中で自然の中を走り回り、森林の魅力と現地の方々のやさしさに触れる。現在は岐阜県の森の中を開拓中。