森で働く
# 11
ジツタの働き方【後編】
体力はなくたっていい
森と人を取り持つ仕事
2021.2.5

「森と関わって働く人」のリアルな現場の声を伝えていく当連載。前回に続き、IT・ICT技術を応用してより安全で、省力化した林業を提案するソフトウェア企画販売の「株式会社ジツタ」から、新入社員である勝野真莉菜さんに入社のきっかけや普段の仕事について話を聞きました。

▶前編はこちら

写真:numa/文:田中 菜月

意外と山に関わることができる
システム販売の営業職

《森林系ソフトウェア販売営業》
株式会社ジツタ GIS事業部
勝野 真莉菜さん

コロナ禍で外出自粛要請が出ていた昨年4月、勝野さんは株式会社ジツタに新卒で入社しました。本社が愛媛県松山市にある同社は、東京や名古屋にも営業所があるため、岐阜出身の勝野さんは実家から通える名古屋営業所の勤務に。とは言え世の中の状況的に会社へ通える状況ではなく、在宅からのスタートでした。

配属先は社内で森林業界を担当するGIS事業部です。システムやソフトウェアの知識を持っていなかったため、勉強を兼ねて製品マニュアル用の動画をつくることが最初の仕事になりました。「今思えばゆっくり学ぶことができたので良かったです」と振り返る勝野さん。

赤外線レーザーを使った森林三次元計測システム「OWL(アウル)」で計測中。上部についているレーザーが360度回転するだけで周囲の情報(樹高や直径、立木密度など)がデータ化できる。普段はこうした製品の提案などを行っている。

最近は引き継ぎで先輩と取引先を回る機会が増えてきました。納品や製品のデモンストレーション、ヒアリング、困りごとなどのアフターサポートなど、少しずつ業務の幅が広がってきています。お客さんからの質問を一旦持ち帰って先輩に相談したり、要望を社内に共有したりと、内外問わずコミュニケーションをしっかり取りながら仕事も進められています。

「入社前は森林からちょっと遠くなってしまう気がしていたんですけど、林業関係者の方との関わりは多いし、予想以上に山の仕事に関われている感覚があるなって思います。そこは入ってみて意外と良かったところですね。納品とかで山に入るときは、山に入れるってだけで結構楽しみです。現場に行ったら山の写真も撮ってますよ。みんなが見てないうちに(笑)」

ズバーンと来て
これだ!って思いました

実は勝野さんは外国語学部の出身です。この業界に飛び込むきっかけになったのは、上高地を訪れたときのことでした。

「大学時代に結構落ち込むことがあって、気晴らしで上高地へ行ったんですね。大自然に包まれた空間がすごく心地よくて、そこから自然や森林に興味を持つようになりました。友達に“林業女子会”の存在を教えてもらって、岐阜の林業女子会の方たちと会って色んなお話しを聞いた経験も大きいですね。長いスパンで物事を捉える森林や林業の考え方は腑に落ちる部分があって、産業としても面白いなあと強く惹かれるようになっていきました」

傍から見れば林学科に所属していると誰もが思うほど、勝野さんの学生生活は林業にどっぷり染まっていきました。林業と地域活性化を組み合わせた研究テーマで大学から研究費をもらい、東海地方を中心に森林組合や林業事業体に直接話を聞いて回るなど、独学で林業の道を進んでいきます。

「『あいち海上(かいしょう)の森センター』で開かれていた里山林保全の養成講座に通ってチェーンソーとかも体験したんですけど、林業の現場でこれを丸一日やることは自分にはできないなと悟ってしまって。運動部とかに入ってなかったので体力に自信がなかったんですよね。でも、就職を考えるときに林業以外はあまり魅力を感じられませんでした」

それほどまでに“林業の沼”にハマっていったのはなぜなのでしょう。

「自分でもよくわからないんですけど、突然ズバーンってきて『これだ!』みたいな感じですね(笑)。趣味でもそれほどハマるものが今までなかったので、たぶんこれしかないだろうなって思いはありました」

天啓に導かれるようにして林業の世界へやってきた彼女が、株式会社ジツタと出会うのはそれからすぐのことでした。

自分の働くイメージが
持ちやすい会社だった

就職活動で勝野さんが参加した林業関連の合同説明会に、同社も参加していました。

「ブースで話をしたのが東京の営業所の方だったんですけど、私の話をしっかり受け止めてくれてすごく好感が持てました。社長もそうなんですけど、会って話しているとお互いにいいなって共鳴した感じがあったんですよ。一緒に仕事したいなっていう感じですかね」

その一方で、仕事の内容自体は初めて知ることも多く、正直やってみないとわからないという思いもあったと言います。

「林業の現場で働くことは私にはできないなって思っていた部分があったからこそ、逆にICTやソフトウェアの分野からのアプローチもあるんじゃないかなって考えるようになりました。今まで考えたことなかったけど、やってみてもいいんじゃないかなって。興味と好奇心とあとは会社の人の良さが決め手でしたね」

会社からの説明も丁寧で、自分が働くリアルなイメージを一番持ちやすかったことも一因でした。

「他のところは会社説明を聞いたときに結構ふわっとしていて、その会社に入ったらわたしはどういう動き方をするのかがあまり想像できませんでした。逆に今の会社は入社するまでに色々説明してもらったので、働く前の不安感もそこまでなかったです」

写真提供:ジツタ

入社1年目の勝野さんの目下の目標は、担当エリアを一人で持てるようになること。お手本は周りの先輩たちです。

「自社製品を紹介することはできるんですけど、その中で相手からうまくニーズを引き出すことができないので、そういうことも身に付けつつ、お客さんとの信頼関係を築けるようになりたいです。先輩の営業スタイルは三者三様ですね。それぞれのいいところを自分のものにしていけるように、まんべんなく盗んでいきたいです」

文系でもOK!
出張を楽しめる人におすすめ

システム、ソフトウェア、ICT、測量…と聞くと理系的な知識が求められそうです。文系だという勝野さんに実際のところを聞いてみました。

「測量はこの会社に入ってから初めて知った世界です。最初は言葉が全部分かりませんでした。最初はニュアンスだけ理解して乗り切ってましたね(笑)。システム関連もまったく触ったことがなくて、どこまでついていけるかなって不安もあったんですよ。でも、入社して慣れてくると分かるようになってきました。やっていくうちに覚えられます」

あくまで企画営業のため、専門的な知識が必要というより、専門用語が身体に染みついてこれば仕事上は問題なさそうです。また、もう一つの特徴として、遠方への出張が挙げられます。

「ある程度まで公共交通機関で行って、あとはレンタカーを使う場合もありますけど、今は車移動が基本です。特に担当エリア内の北陸方面は公共交通機関を使うと時間がかかってしまうので。ドライブも楽しいので出張で色んなところへ行くのは好きですね」

今回の勝野さんの取材を通じて、一般的な営業職に近い内容でありながら、森や林業にも近づける仕事があるということが分かってきました。林業に興味はあるけれど体力に自信がないという人、現場作業員はちょっと怖いから林業の道は諦めようかなと考えている方に、選択肢の一つとして知っておいてほしい職種です。

必ずしも現場で肉体労働的に働かなくとも、林業に携わることはできるし、林業そのものの新しい形をつくるという道もあります。“好きなこと”を仕事にしたいとき、勝野さんのように進入角度を少し変えて他のルートを探ってみると、足取りが軽くなる道も見つかるのかもしれません。そうした柔軟さをいつでも持ち合わせていたいものです。

\株式会社ジツタ正社員募集中!/

【募集職種】
自社開発システムの企画および販売やサポート

【雇用形態】
正社員

【給与】
大学卒初任給 212,000円(住宅手当・地域手当別途)
※参考モデル 年収435万円/30歳/経験5年/四国地区/月給28万円

【待遇・福利厚生】
賞与年2回(6月・12月) 昇給年1回(7月)
各種社会保険あり(雇用、労災、健康、厚生)
退職金あり(勤続3年以上)

【仕事内容】
・販売・サポート
日本全国の森林組合・林業事業体・地方自治体への自社ソフトウェアやGPS等の測量製品の提案・販売を、チームで協力して行います。

・企画・開発
顧客からの要望や行政の政策から新たな自社ソフトウェアの企画および開発を行い、全国へ販売展開。行政機関や研究機関からの求めに応じ、研究開発事業や補助事業に参画し、問題解決や課題解決の手法を検討し、実証試験を行います。

【勤務地】
東京都中央区・愛知県名古屋市・愛媛県松山市(各所2名程度)

【勤務時間】
8:30~17:30(休憩1時間)

【休日休暇】
週休2日(ただし第3土曜日のみ出勤)・夏季休暇・年末年始休暇
※2019年度の休暇は116日

【求める人材】
人物像
当社の事業に興味が持てる方。林業のIT・ICT化を自分の力で普及してみたい方。真摯に従事できる方。外向的(人と話すのが苦ではない)、積極的(受けた仕事をこなすだけでなく自ら仕事を創り出す)柔軟な考え(あらゆる角度からアプローチ)ができる方。

資格
・高卒以上、要普通自動車運転免許(AT限定可)
・Office系のソフトの使用できる方
・建設や測量分野、地理・自然環境・農林業の分野に携わった経験  、システム提案やソフトウエア販売の経験があればなお良い  

【選考プロセス】
書類選考→一次面接(web面接)→就業条件や待遇の確認→二次面接
※書類は履歴書と職務経歴書(既卒者)
※一次面接時に筆記試験やPCスキルの試験を行う場合があります

※随時選考を行うため、募集人員に達した場合、受付期間中においても受付を終了します。
応募前に下記の募集ページや電話等でご確認ください。

【採用窓口・問い合わせ先】
株式会社ジツタ 総務部採用担当
〒790-0964 愛媛県松山市中村二丁目8番1号
TEL 089-931-7175 FAX 089-934-7701
メール info2@jitsuta.co.jp
HP https://www.jitsuta.co.jp/

田中 菜月 (たなか・なつき)
1990年生まれ岐阜市出身。アイドルオタク時代に推しメンが出ていたテレビ番組を視聴中に林業と出会う。仕事を辞めて岐阜県立森林文化アカデミーへ入学し、卒業後は飛騨五木株式会社に入社。現在は主に響hibi-ki編集部として活動中。仕事以外ではあまり山へ行かない。