前回に引き続き、元図書館司書でぎふ木育指導員の柴山佳江さんに、夏のおすすめ絵本を選書してもらいました。親子で読んでも、大人が読んでも楽しめる3冊を紹介します。
▼柴山さんインタビュー記事
https://hibi-ki.co.jp/hibikitours042/
どんな夏を過ごしたい?

『なつのいちにち』
作:はた こうしろう
出版社:偕成社
定価:1,100円(税込)
詳細:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033313405
柴山さんコメント:
とにかく躍動感がすごい。親の目線からすると、「こんなふうに子どもを遊ばせてあげたいな」って思わされる絵本です。普段だったら、高い木に登らせるのは危ないんじゃないか、とか、雨が降ってきたら家の中に入りなさいってなっちゃうんですけどね。本の中では子どもの顔が描かれていないページもあるんだけど、どんな顔をして走ってるのか不思議と見えてくる。飽きずに何回も読めるのはそこなんですよ。
何気ない日常が
愛おしくなる

『なつやすみ』
作:麻生 知子
出版社:福音館書店
定価:1,650円(税込)
詳細:https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=7256
柴山さんコメント:
とにかく細かい絵を見るのが楽しい。ずーっと見てられるんですよね。絵本の中に登場する蚊取り線香がね、ページを進めるごとにちゃんと燃えていってるんですよ。キッチンに置いてある調味料を見ると、そうめんのおつゆをちゃんと一からつくる人なんや、とか、そういう細かいところを見るのが面白い絵本です。
この夏に出航するなら
どこへゆく?

『ぼくは ふね』
作:五味 太郎
出版社:福音館書店
定価:1,980円(税込)
詳細:https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=7341
柴山さんコメント:
絵本作家・五味太郎さんの最新作で、ご本人いわく集大成の作品なんだそうです。この絵本は、カバーから本を出すところから読み始めるんですよ。船が出航するところから物語が始まって、船とともに進んでいく。深い深いお話しです。ぎふ木遊館で年に何度か演奏してくださっている、アーティスト・伊藤智美さんの曲にのせてこの本を朗読するとすごく合うんですよ。
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柴山さんがおすすめしてくれた絵本を、ぎふ木遊館の絵本ひろばで手に取って読んでみました。絵本には描かれていない、自分だけの夏の思い出がまざまざと浮かんできて、また別の物語へと広がっていく感覚がありました。楽しかった思い出につられて、夏を楽しみたい気持ちが湧いてきます。
今年の夏は、涼しくて快適な室内にこもるのもいいけれど、少しは自然にふれられるところへ行ってみようかなとも思いました。“ふね”みたいに、わたしはどこへだって行けるのですから。
