ひビキのヒび
# 35
響hibi-ki 2025
ボードゲームのその先へ
2025.1.7
photo by Shigeta Kobayashi

新年明けましておめでとうございます!今年で響hibi-kiは6年目を迎えました。2025年最初のこの記事では、昨年の活動を振り返りつつ、今年の展望をお伝えします。

写真:編集部/文:田中 菜月

ボードゲームを携え
駆け抜けた1年

響hibi-kiの去年の一大ニュースといえばやはり、林業ボードゲーム「FOREST BALANCE GAME」の販売を始めたことでしょう。出張授業をする中で試作と改良を繰り返し、24年4月末に販売をスタートしました。

●ボードゲームの開発経緯
“FOREST BALANCE GAME”制作記【前編】
“FOREST BALANCE GAME”制作記【後編】

出張授業や体験会は講演会形式なども含めると1年間で計22回(うち県外は3回)実施していて、前年から継続しているものもあれば、販売をきっかけに新たにお声がけいただいたものもあります。気付けばこの3年ほどで、ゲームや授業の総体験者数は延べ1,446名(小学生267人、中学生148名、高校生793名、短大・大学72名、社会人166名)になりました。

ウッドデザイン賞表彰式にて。左2人目からデザイナーの伊藤、編集部の田中、ゲーム発案者の高岸、部長の山崎、編集部の狩野。

そして、24年秋冬にはFOREST BALANCE GAMEがグッドデザイン賞とウッドデザイン賞優秀賞(林野庁長官賞)を受賞しました。受賞をきっかけに林業ボードゲームに興味を持ってくれる方が少しずつ広がってきていることを今まさに実感しています。

余談ですが、ウッドデザイン賞の同部門を受賞した他の2組は、昨年5月に響hibi-kiで取材した一場木工所さんとFOREST WORKERさんという奇跡的な巡り合わせでした。会場ではお互いに嬉しい再会ができ、忘れられない表彰式となりました。

こうして、ゲームの体験会を開き、買ってくださった方に使い方を説明し、ゲームのPRを各所で行い、在庫を管理し、販売の対応をし…と、もはやメディアというよりもボードゲーム屋と化していました。初めてのことに戸惑うことも多くありましたが、めったに体験できないであろう貴重な経験ができた1年でした。

ボードゲームだけじゃない!

今後はボードゲームを普及させることで森の世界にふれる機会をつくっていくことはもちろんですが、授業よりももっとラフに、かつ街中で自然体験ができるような場もつくっていきたいと考えているところです。今年のどこかのタイミングで、ワークショップやイベントのお知らせができると思いますので続報をお待ちください!

そして、響hibi-kiが活動してきた5年のあいだに、運営元である飛騨五木グループでは各事業が勢いを増してきています。そこで、響hibi-kiの身近な動きについても改めて取り上げていくつもりです。

岐阜県各務原市で蒸篭をつくる職人さんの工房を訪問。取材記事は近日中に公開予定。

最近では、響hibi-ki STOREの店長が岐阜県内のさまざまな木工職人さんと交流しているという情報をキャッチし、編集部も同行して取材させてもらうことになりました。軽妙な店長のトークと職人さんの掛け合いは、今までの響hibi-kiにはない新たなスタイルになっていると思います。

先日、グループ会社である井上工務店の現場監督を取材。こちらの記事も近日中に公開予定。

以前、響hibi-kiの読者から「そういえば響hibi-kiさんって何の会社なんですか?」と聞かれることがありました。確かに、あまり会社のことを記事にしていないので、知られていなくても仕方がありません。実際は林業や製材、設計、建築、自然エネルギー、遊び場施設の運営など幅広い事業を行っているので、どんな仕事をしていて、どんな人たちが働いているのか、といったことも紹介していこうと目論んでいます。きっと響hibi-kiと通じる何かを感じ取ってもらえるはずです。

今年1年どうなっていくかまだまだ分かりませんが、ボードゲームのその先を切り拓ける1年にしていきたいなと思っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

田中 菜月 (たなか・なつき)
1990年生まれ岐阜市出身。アイドルオタク時代に推しメンが出ていたテレビ番組を視聴中に林業と出会う。仕事を辞めて岐阜県立森林文化アカデミーへ入学し、卒業後は飛騨五木株式会社に入社。現在は主に響hibi-ki編集部として活動中。仕事以外ではあまり山へ行かない。