ひビキのヒび
# 28
自然エネルギー事業の
社員を募集しています
2023.9.15

響hibi-kiを運営する〈飛騨五木株式会社〉では、小水力発電の開発を担当する正社員を募集しています。実は響hibi-ki編集部の高岸くんはこの春から小水力発電の事業も兼務して、今は日本各地の山を駆け回っています!せっかくなので、そんな彼の目線から自然エネルギー事業の仕事内容を教えてもらいましょう。

写真:西山 勲/文:田中 菜月

森林資源は木だけじゃない!

そもそもなぜ、飛騨五木が小水力発電事業に取り組んでいるのでしょうか。そこにはなにかしら魅力があるからだといえます。3つの視点から小水力発電の魅力や可能性について高岸くんに教えてもらいました。

ダム好きの高岸くん。響hibi-kiの取材中、通りがかったダムに立ち寄ることもある。

— まずはマクロな視点で見たときに、飛騨五木で取り組む小水力発電にどんな魅力を感じていますか?

「生態系への影響はゼロではないですが、環境負荷の低い形で再生可能エネルギーを事業につくる仕事に関われているということに納得して仕事ができています。私ががんばればがんばるほど、気候変動のリスクを下げていくことにつながるのもうれしいことですね」

— 小水力発電所の周辺に住む地域の方にとってもメリットは大きいんでしょうか?

「住民の方々と一緒に小水力発電を開発していくことで、地域にもメリットがあるように提案しています。事業の説明や調査を進める中で、徐々に地域の方々との信頼関係が積み上っていくことも仕事の面白さだと感じます。大事なことは、地域の河川や水というものは地域に帰属するものなので、開発に際しては各地域に対してリスペクトを持って接することなのかなと感じます。地域にとってのメリットは、以前響hibi-kiで更新した小水力発電の記事も読んでみてください!」

▼該当記事
WORLD FOREST NEWS #8「小水力発電が掘り起こす 地域への大きな波及効果」
https://hibi-ki.co.jp/worldforestnews008/

— 事業として継続するには利益を生み出すことも大事だと思うんですけど、そのあたりどうなんでしょう。

「出向先の近畿小水力発電株式会社は、木材に関わる奈良・吉野の株式会社吉銘さんと飛騨五木グループが協業してできた会社です。その理念は『森林の価値を向上させること』にあります。森林には多様な価値があるわけですが、木材生産以外の水源涵養機能などが高まっていないと川の水は安定的に流れません。そうした価値を地域と当社の間で金銭化しつつ、脱炭素化していくことになります。小水力発電事業を進めることで、まさに三方良しの形を創り上げることができると感じています」

日本であればどの田舎に行っても必ずと言っていいほどある森林。そして山々から流れる水。こうした当たり前にある自然は、活用次第で資源の宝庫に見えてくるものです。小水力発電で電気を自給して地域内でお金や資源を循環させ、持続可能なコミュニティをつくる。資源が限られる山村でも小水力発電があることで新たな可能性が拓けてくるかもしれません。

小水力発電の開発って
どんな仕事?

小水力発電所をつくるには長い時間を要するとともに、さまざまな立場の人と調整しながら事業を進めていくことが肝心です。まずは、発電所ができるまでの大まかな流れをおさえておきましょう。ちなみに、今回募集する開発の仕事は①〜③を担当します。①〜③の概要も以下にまとめました。

【小水力発電所ができるまでの流れ】
① 可能性調査
② 地権者の調整
③ 事業性評価
④ 基本設計
⑤ 許認可申請
— ここまで約3~4年
⑥ 土木工事(約1年)

① 可能性調査(机上・現地)
国土地理院の地図などを活用して、パソコン上で小水力発電所がつくれそうな候補地をひたすら探す作業から始まります。川の落差が大きくて水量が多いほど電気を生み出す力が大きくなるため、勾配があり、水量のある河川を見つけ出すことがポイントになります。いくつか目星をつけたら、実際に車で走りながら現地を確認。合わせて河川法などの法令規制の調査なども行います。

② 地権者の調整
水量を調査して本当に発電ができるかどうかを探る必要があるのですが、その調査をする前に地元住民の方々に調査の目的や小水力発電事業について直接伝える説明会を開きます。さらに、水利権の関係から漁業組合様などとも協議を進め、関係各所からしっかり合意が取れてから本格的な調査に移ります。

③ 事業性評価
専用の機械を使って川の水量がどれぐらいあるか調査を行い、小水力発電で使用できる水量を把握します。この計測結果をもとに事業性があるかどうかを判断し、可能性があれば発電所を建てる場所や水圧管をどこにどう通すのか、といったことも検討していきます。事業を実施するしないに関わらず、調査・評価の結果も地域の方々に改めて説明を行います。

水位計で河川の水位を計測中。
筒の中に入れているケーブルは水位計のデータを集めるためのもの。

さて、ここで再び高岸くんに登場してもらって、担当者目線での仕事のやりがいや大変さについて教えてもらいました。

— 小水力発電の仕事で大変なことはありますか?

「この仕事は特に、毎回異なるエリアに訪問してご相談や協議を重ねていくことが主になります。そのため、《資料準備・移動・プレゼン・移動》という流れが多くなります。許可を得て川の中で調査をすることもありますし、体力はあって困ることはないですね。日常生活で聞き馴染みのない専門用語があったりするので、始めはインプットが多くなるかなと思います」

— 逆に何がやりがいになってますか?

「『三方良し』の形を創り上げられるかどうかは、まさに担当者のコミュニケーション力が重要なファクターになります。地域ごとに異なる住民の皆様のご要望やご意見をお聞きしながら、どのように最善の形を作れるのかコミュニケーションを重ねていくことは私自身やりがいとなっています。また、小水力の適地が多数見つかると、今後の会社の成長やエリアの可能性が膨らむようでわくわくします!発電所の完成に向けて進捗が目に見えて分かる様子もわくわくしますね」

エネルギーや環境に関する専門知識がなくても問題ありません。オンザジョブトレーニングで仕事のノウハウを身につけていきますし、地域づくりやコミュニティデザインといったことに関心のある方であれば得られるものがある仕事だと思います。未経験の方でも興味があればぜひお問い合わせください!

募集内容と
採用までの流れ

【仕事内容】
《小水力発電を中心とする自然エネルギー電源開発》
・FS(可能性)調査
・地元調整
・許認可申請業務
・資料作成業務

【雇用形態】
正社員

【給与】
経験や年齢により応相談

【待遇・福利厚生】
・社会保険完備(厚生年金・雇用保険・健康保険・労災保険)
・年2回賞与、昇給・昇格あり(業務実績による)
・退職金あり(勤務形態に準ずる)
・家賃補助あり(月5万円程度)
・産休・育休制度あり

【勤務地】
・飛騨五木㈱本社:岐阜県高山市
・近畿小水力発電㈱:奈良県橿原市
※全国転勤の可能性あり

【勤務時間】

9:00~18:00(休憩1時間、実働8時間)

【休日休暇】
・シフト制
・月9日休み
・年次有給休暇あり

【おすすめポイント】
・在宅勤務OK(一定期間後から)
・社員の平均年齢は約29歳
・服装自由

【こんな方大歓迎!】
・明るく前向きに仕事に取り組める
・人と話すことが好き
・自然の中で働くことができる
・車の運転に慣れている方
・新卒・第二新卒歓迎
※専門的な内容は実務の中でレクチャーしていきます!

【選考プロセス】
電話やメールで問い合わせ

採用担当より選考方法を連絡

書類選考

面接(オンラインも可)

採用

【問い合わせ先】
飛騨五木株式会社(担当:高岸)
MAIL info@goboc.jp

オンライン面談随時受付中です!会社のことや仕事内容についてざっくばらんにお話ししましょう。いつでもご連絡ください!

田中 菜月 (たなか・なつき)
1990年生まれ岐阜市出身。アイドルオタク時代に推しメンが出ていたテレビ番組を視聴中に林業と出会う。仕事を辞めて岐阜県立森林文化アカデミーへ入学し、卒業後は飛騨五木株式会社に入社。現在は主に響hibi-ki編集部として活動中。仕事以外ではあまり山へ行かない。