ここではhibi-ki編集部が実際に参加した森や地域の体験ツアーレポート、イベントの開催情報をお届けしています。今回は岐阜県美濃市に新しくできた森のアソビバ「morinos(モリノス)」を紹介。みなさん、森に集合お願いします!
人と森をつなぐ
「森の入り口」
岐阜県立森林文化アカデミーの敷地内に、「morinos」という新しい施設が先日オープンしたことはご存知ですか。
●morinosのホームページはこちら
https://morinos.net/
ホームページを開くとこんな言葉が出てきます。
「すべての人と森をつなぎ、森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次世代に伝えていきたい。 morinosは、すべての人と森をつなぐ“森の入り口”です」
どんなことができる場所なのかというと、
・公園のように誰でも自由にくつろげる
・森をもっと楽しむプログラムの体験
・森と人をつなぐ指導者のスキルアップ
ざっくりこんな感じです。
基本的には誰でも自由に利用できます。施設内の図書コーナーで森の本を読んだり、外の広場で走り回ったり、無料の「森を楽しむレンタルセット」を借りてバードウォッチングや薪割り、ヨガ、火起こし体験をしたり、目の前の森へ入って散策するだけでもOKなんです。
今後はキャンプや木工、木こり体験、ブッシュクラフト、ジビエ解体など、一歩踏み込んださまざまな体験プログラムやイベントもどんどん行っていくそうです。学校や企業向けにオーダーメイドで体験プログラムをつくることもできるのだとか。目的や自分の森レベル?に合わせて、森との関わりを探っていけそうですね。
さらに、お母さんたちによる野外自主保育「森のだんごむし」も平日に毎日開かれていたり、週末だけ子どもたちが集って遊ぶ「週末プレーパーク」もあったりと、幅広い世代のいるにぎやかな場になっています。
morinosの目の前にある森は、アカデミーの演習林として実習や林分の調査など授業を行う場でもあります。色んなものが混ざりあった、渾然一体とした場になっています。
建物も必見!
木の使いこなしが光る
morinosの設計はアカデミーの木造建築スタジオの先生や学生たちが担当しました。建築家の隈研吾氏から直接アドバイスを受け、基本設計を完成させているというから贅沢です。
morinosの拠点となる建物には見逃せないポイントがたくさんあります!
例えば建物正面にあるV字の柱。
すごく印象的な形をしていますよね。こうした形は、そもそも構造として問題はないか、ということから検討をする必要があります。実際に模型をつくってみたり、構造計算をして壊れないつくりなのかどうか検討したり。建物をつくる前の準備段階からさかのぼると、とても長い道のりを経てこのV字の柱ができています。
しかもなんと、この丸太の柱はアカデミーの学生たちが演習林で伐採したものでもあります。アカデミー内のつながりも随所に体現されているんですね。
室内の土壁空間には、葉っぱをモチーフにしたガラスが取り入れられています。20種類の葉っぱのガラスが散りばめられているそうですが、これらの葉っぱデザインには、アカデミーで森林生態学を専門とする玉木先生が協力し、アカデミー周辺に自生している植物から選定したそうです。図書コーナーにある図鑑を活用して、何の木の葉っぱか当ててみるのも面白そうですね。
他にも随所に創意工夫が施されています。morinosの建築秘話については、設計を担当した辻先生を中心に熱量の高い文章をブログにまとめているのでぜひ読んでみてほしいです。ボリュームが尋常じゃないです。
●morinos建築秘話はこちら
https://morinos.net/what-is-morinos/about-facility/
正直に言うと、私はまだ半分くらいしか読めていません…(笑)。でも、どんな工夫が施されているのか知ってから建物を見ると、解像度がぐっと上がってさらに面白く感じられるだろうなと思います。「ブログを読み込んでからまた建物を見に行かなきゃ!」と楽しみが増えました。
今回は施設紹介だけでしたが、今後はmorinosのイベントに編集部が実際に参加して、そのレポートをお届けしていきます。お楽しみに!
●Information
morinos(森林総合教育センター)
岐阜県美濃市曽代88番地(森林文化アカデミー内)
https://morinos.net/
10:00~16:00
0575-35-3883
火・水曜休館(祝日の場合は翌平日が休館日)
※年末年始や施設の点検・主催行事などで臨時休館することがあります
※利用料は無料(プログラム毎に別途費用がかかることもあります)