このたび、響hibi-kiの運営元である<飛騨五木株式会社>の代表取締役社長が交代となり、体制の変更にともなってロゴを刷新し、コーポレートサイトを新たにリリースしました。
今回の記事では代表取締役社長に就任した山崎杏奈さんのインタビューを掲載しています。私たちがこれまで何を大切に活動してきたのか、そして、これからどこへ向かっていくのか。ぜひご一読いただけると嬉しいです。
飛騨五木株式会社って
こんな会社です!
岐阜県高山市で2015年1月に創業した<飛騨五木株式会社>は、地域商社として主に木の遊び場施設の整備・運営を全国展開し、飛騨五木グループ全体として「2035年、木材が当たり前にある社会」の実現を目指しています。この延長線上で、“森に気づくためのメディア”として響hibi-kiも運営してきました。
バックボーンにあるのは、グループ会社である株式会社井上工務店です。山林での木材生産、製材、設計・施工を一貫して行い、地域材を活用した木造建築を得意としています。また、山間部の小川を活用した小水力発電の開発も行い、全国各地で発電所の開発を進めています。
工務店の取り組みに、飛騨五木株式会社が得意とする地域ブランディングやデザイン、メディアを掛け合わせることで、地域の森林資源の価値を最大化する取り組みに挑戦してきました。地域に眠る自然資源を適切に活用し、新たな形に昇華させていくことで、自然からの恩恵を受け続けながら安心して暮らしていけるはず。そんな思いで日々、前進し続けています。
そうしたこれまでの積み重ねを大切にしながら、新しい仲間をさらに増やして、今までにない未来の形をつくっていきたい。そんな思いを込めて、体制の変更を機に企業ロゴを刷新しました。

新しいロゴは、社名の頭文字である「Hi」を一筆書きで表現したマークが特徴です。飛騨五木と自然・地域・人とのつながりであったり、飛騨五木のメンバーがまちへ飛び込んでいくようなイメージを持たせています。
旧ロゴで使用していた青緑の色味を、青から緑へのグラデーションに進化させることで、自然や人、地域との関わり、そして時代の変化に柔軟に対応しながら進んでいく企業姿勢を表現しました。「飛騨五木」の文字は、これまで大切に育んできた歩みを継承する意味を込め、旧ロゴの書体をベースにデザインしています。
さらに、飛騨五木株式会社として初のコーポレートサイトをリリースしました。社内チームであれこれ話し合いながらコンテンツを考え、ロゴに加えてWEBサイトの制作もデザイナーの伊藤さんに担当してもらっています。どんなサイトになっているかは、以下のリンク先からお確かめください!
● 飛騨五木株式会社 HP
https://hidagoboc.jp
寛容と信頼にあふれた
地域社会をつくる
飛騨五木株式会社は、これまで代表取締役社長を務めてきた井上守に代わり、サービスデザイン戦略部部長 兼 執行役員の山崎杏奈が、2025年7月28日付で新たに代表取締役社長に就任しました。
響hibi-kiでは、就任が決まってから、いの一番に社長インタビューを敢行し、全編をラジオ配信するとともに、一部抜粋したものを記事でご紹介します。

― これまで人事やサービスデザイン、新規開発を担当されてきた杏奈さんですが、社長になるということで、今後どんな方針で進んでいこうとお考えなんでしょうか?
まず、会社の体制が変わるということで、MVVS(ミッション・ビジョン・バリュー・スローガン)を改めて整理して、私の方で新しい内容を考えさせてもらいました。社員の皆さんにも共有したところ、「いいんじゃないですか」という反応だったので(笑)、これでいこうと考えています。
VISION
寛容と信頼にあふれた地域社会をつくる
MISSION
地域に“あそび”を仕掛ける
VALUE
子どもに誇れる大人であれ
SLOGAN
まちを耕せば、ひとが輝く!
私たち飛騨五木は、国産の木材をふんだんに使った遊び場の運営だけではなく、設計事務所(5boc architectS)もあわせ持っているので、木造建築の会社だと認知されていると思います。

ただ、遊び場や木造建築をなんのためにやっているのかっていうことを考える中で、会社のビジョンを「寛容と信頼にあふれた地域社会をつくる」にしようと考えました。
今って、社会全体がギスギスしているというか、他人にも自分にも厳しすぎる世の中だなと感じています。多様性や変化を受け入れる“心の余裕”がない印象です。人と人とのつながりや、信頼みたいなものも軽んじられているような気がしています。
友達のためだったら走って駆けつける、みたいな友情が今も絶対にあるはずなのに、その前提で生きていない人が多いというか。極端な例ですけど、走れメロスみたいに駆け付けてくれる友が世の中に存在していると思うだけで、人って幸せに生きていけるはずなんですよね。
― 確かに。そういう人が、たった一人いるだけでもいいんですよね。
そうそう。でも、学校や社会で「真の盟友に出会えるかも!」みたいな、人との出会いのワクワク感よりも、「担任が嫌な人だったらどうしよう」とか、「上司ガチャはずれたら嫌だな」みたいに、悲観的に考える傾向があるんじゃないかなと感じていて、そこが気になりますね。
― なるほど。
人間って本当はもっとやさしくて、寛容だと思うし、だからこそ、他者を信頼してみてもいいんじゃないかって思える社会をつくりたいんですよね。
特に、子どもの遊び場を運営していると、「子どもって個性丸出しでいいな」ってすごく感じます。幼稚園の遠足で遊びに来た子たちを見ていると、入ってきた瞬間に走ってどっかに行っちゃう子とか、一方で、「先生、水筒どこに置いたらいいの?」って生真面目に聞いてる子もいて、当たり前にいろんな子がいる。みんな自由でキラキラしてるんですよ。

同じように、大人だって誰しも子どものころは純粋だったはずです。子どものときに、「絶対なんとか生きていけるぞ」って思える楽しい思い出があれば、どんな人でもまともに生きていけると信じています。親や学校、会社がどうであれ、子どもの頃のかけがえのない思い出があれば、自分で心を持ち直したり、嫌なところからさっさと逃げる判断ができたりする大人になるんじゃないかと考えていて。だからこそ、子どもたちの心に残るような体験をつくっていきたいんです。
― 遊び場が人間性を育む一つのきっかけになるってことですよね。すごいことだと思います。
菜美さんや河合さん(5boc architectSの設計士)たちがつくる建築物も、すごく寛容性があると思うんですよ。固定概念にとらわれず、住んでる人や使う人のことを考えて、フレキシブルに過ごせる空間をつくっているじゃないですか。ああいった建築が世の中に増えると、人の意識も変わっていく気がします。

― 以前、5boc architectSのお施主さんにインタビューさせていただいて印象に残った言葉があって。「住み始めてから細かいことが気にならなくなった」「大らかになったような気がする」っておっしゃってたんです。
素晴らしいですね。何より、飛騨五木のメンバーも、みんな大らかじゃないですか。やさしいし、他人のミスもさほど責めないし。あまり気にしてないですよね(笑)。「そんなこともあるよね」くらいな感じで。それはもしかしたら、林業や木材がルーツにあるからかもしれないですね。やっぱり、自然にはかなわないじゃないですか。
― そうですね。自然はコントロールできない、というある種の諦めはありますね。
たぶんですけど、仕事ができる人ほど、予想通りにいくのが当たり前になっちゃってると思うんですよ。だけど、人間も生き物だし、何かしら自然の影響を受けながら仕事や生活をしていかないといけない。どこかで自分の力が及ばないこともあるだろうという感覚が、飛騨五木のメンバーはなんとなく分かっているのかもしれません。
そうした感覚を、サービスや建物という形で、全国に提供していきたいと考えています。
― その感覚は広げていきたいですね!これって、ミッションの話にもつながりそうですね。
つながってます。「地域に“遊び”を仕掛ける」がミッションなんですけど、地域に遊びというか、余白がないということを最近考えているんですね。とりあえず集まれるような場所もあまりないじゃないですか。
― 公園すら厳しくなってますもんね。
そう。ただ、人に迷惑をかけちゃいけないっていうのは分かるんですよ。でも、親子でキャッチボールをすることぐらいはいいと思うんですけど、それさえも苦情が出たら全面禁止になってしまう。それってどうなんでしょうね。
ー 多少の迷惑はお互いさまだと思えるといいですよね。
飛騨五木の遊び場はなるべく厳しいことを言わないようにしたいですし、起きたトラブルに対してもみんなでよく考えて、「こうやって運用すれば安全にできるかも」「一定のルールは設けるけれど、こういう場合は柔軟にOKにしようよ」っていう会話を積み重ねて、実現していきたいと思っています。
これはバリューとして掲げている、「子どもに誇れる大人であれ」にも関わってきます。正解のない問題に直面したときや、面倒なことが起きたときに、子どもの前でどういう行動がとれるかって結構重要だと思うんですよ。
それに、業務委託で自治体の施設を運営することもあるので、未来の子どもたちに説明責任が果たせる税金の使い方もちゃんと考えていかなきゃいけない。次世代につながるような使い方ができているかどうかも実際に考えています。そういう意味もあって、「子どもに誇れる大人であれ」を会社の行動指針にしました。
― そうですね。自分もそうありたいなと思います。
最後に。今年のスローガンは、「まちを耕せば、ひとが輝く!」にしました。考えや空気が硬直した場に、飛騨五木の社員や遊び場、建築が入っていくことで、畑のように耕せると思うんですよ。いい空気やいい水が入ってこれば、その地域に暮らす人たちも自然と輝くってことをいっぱいやっていきたい。
― 実現できるようにがんばりたいですね!
そうですね。少しでも「この会社いいなあ」「興味出てきた!」と思ったらぜひ連絡していただいて、仲間になってもらえると嬉しいです!
●採用情報はこちら
https://hidagoboc.jp/Recruit/1
●ロングインタビューの続きはラジオで!
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