林業や山で活動する人にとって欠かせない、ウェアや装備。季節に沿ったもの、かつ活動をサポートしてくれるような機能性や快適性も重要だ。そこで、アウトドアウェアを作業着として身につけてもらい、フィールドでの使用感をこのノートに書き留めていく。ファッション的な表面的なアプローチではなく、リアルな現場のフィードバックをレポート。第1回目のフィールドは山ではないが、木を扱う職人・大工をフィーチャーする。
緻密な作業を遮らない
快適性に優れたダウンベスト
岐阜県飛騨市出身で、大工1年目の小野大樹さん(21)。愛知県名古屋市にある東海工業専門学校の大工技術科を卒業後、憧れていた大工になるべく、岐阜県高山市にある株式会社井上工務店に入社。大工グループに所属し、日々現場作業をこなしながら腕を磨く。
一人前になるまで10年はかかると言われる大工の世界。彼の研鑽はまだ始まったばかりだ。現場は一般住宅から、公共施設、寺社仏閣、伝統文化財など多岐にわたる。墨付け刻みができるベテラン大工たちの技をそばで見て学び、自らの血肉としていく途方もない修行の道が続く。
屋外で作業することも多く、冬の時期は防寒着が必須だ。一方で大工は緻密な作業を求められるため、その動きを遮らないウェアの快適性も重要となる。だからこそ冬はダウンベストを着ることが多いという小野さん。今回はイギリス発の総合アウトドアブランド「karrimor」のダウンベストを着てもらった。
井上工務店/大工
小野大樹さん
eday down vest ¥24,200(税込)
https://www.karrimor.jp/category/ITEM_003_002_001/100742.html
着用サイズ:Black(SL)M
軽量かつ、高い耐久性・耐摩耗性を持つ“CEBONNER”を表地に、中綿には650FPダウンを採用。裏地には起毛素材を使用した暖かいハンドウォーマータイプのポケットも。裾口にはドローコードを設け、フィット感の調整や、裾口からの冷気の侵入を防ぐ。ナチュラルな質感と表情、優れた機能性を持ち、快適な着心地と耐久性を併せ持った一着だ。
小野さんに作業着として実際に使ってもらい、約1ヶ月後に着用感を尋ねた。
「今まで使っていたダウンより、軽くて動きやすいです。大工仕事は全身を動かすので、作業の邪魔にならない快適さは気に入っています。前のダウンは重かった分すごく暖かかったですけど、それと比べると正直寒く感じるかもしれません。でも動けば暑くなるんでちょうどいいですよ」
現在は東京に長期出張中の小野さん。飛騨の木で家を建てる旅する大工として、岐阜を中心に全国各地へ赴く。このダウンベストに木の粉と香りがたっぷり染み込み、色褪せる頃には、一人前の大工になっているだろう。